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初心者向け解説

横浜スケールボート愛好会

１．船舶模型の分類

　船舶模型のカテゴリーを大きく分けるとディスプレイ展示専用スケール船舶模型と、実船と同じ操作をして走航など楽しむラジコンボートに大きく分けることができます。ディスプレイ専用の船舶模型はゆうまでもなく、見て楽しむものですから、いかに実船を精巧に再現し、見る人を魅了し惹き付け飽きさせないかが重要です。このような模型を供給するメーカーは実際には模型そのものの製造や製作時間よりも正確な実船の資料や設計図などの収集の方に大変多くの時間を必要とします。代表的なものとしてミュージアムモデル、プラモデル、木製帆船模型、ペーパーモデル（海外ではカードモデルと呼ぶのが一般的です。）などが該当します。日本は世界有数のプラモデルメーカーが多くあり、この分野では世界的にも他を圧倒していましたが、プラモデル以外では海外の方が船舶模型の愛好者が大変多いので、ユーザーが指名した実船を高品質で一品一品製作してくれるメーカーもあります。

ディスプレィ・モデル


＜帆船模型＞もともと製作過程そのものを楽しむものですが、欧米ではインテリアや贈り物としての完成帆船が大幅に増加したため、完成品はかなり安く入手できるようになりました。		＜プラモデル、ミュージアムモデル＞ミュージアムモデルの場合でもRC装置で稼働できるものが普通。特に海外では模型は実物どおり動くのがあたりまえとみなされるため。

　また米国や英国などでは博物館そのものが、ミュージアムモデルとして愛好家へ実船の模型を限定で販売し、その収益金で博物館の実船維持費用にあてたりしています。

　実は日本にも博物館の展示品専門として、または、実船の建造前の検討モデルや建造後に造船会社が船主に記念品として贈呈するような精密模型を製造しているメーカーが存在し、個人でも相談すれば注文に応じてくれるようです。

一方、ラジコンボートには下記のように動力で分類することが出来ます。

	電動ボートバッテリーを搭載し、電気でモーターを回転させてそれを動力とするボート。取扱いが簡単で一番普及している。
	スチームボート（アルコールもしくはブタンガスなどを燃料としてバーナーで火を炊き、ボイラーで蒸気を発生させ、レシプロ蒸気機関を回転させて動力とするもの）
	エンジンボートグローエンジンやガソリンエンジンを動力とするボート。最近ではジェットエンジンを搭載した大型で高速なものもある。
	ラジコンヨット・ラジコン帆船自然の風を利用して走航する。風の力だけで帆走するので優雅ですが、操船には風を読む高度なテクニックが必要。
	ラジコン潜水艦水中を航行することが出来るラジコン潜水艦です。潜航するには動力の推進力によって潜行舵で潜るダイナミックダイブ方式（動力が停止すると自動的に浮上する）ものと、推進力にに関係なく、停止しててもバラストタンクの給排水で浮き沈みが出来るスタテックダイブ方式の２種類に大別されます。

ラジコンボートの最大の特長はやはり、自分で操船することが出来ることでしょう。ＡＹＡＲＤではスケールラジコンボートを重視しています。なぜならスケールボートは前述したディスプレイ専用スケール船舶模型とラジコンボートの操船する楽しみの双方の長所を持ち、製作して楽しく、また完成後は鑑賞して楽しんだり、水上（水中）を航行させることが出来るなど、もともと子供から大人まで楽しめるホビーだからです。

しかし、残念ながら日本ではスケールボート製品は非常に少なく、あってもエンジンボートと電動模型のスポーツモデル位しかありません。実はラジコンスケールボートは国産メーカーがほとんどないといても過言ではありません。（もし、そんなことはない！ここにもあるよという方がいましたら、是非ご紹介をお願いします。）もっとも最近は小さなプラモデルでもプロポなど電子機器が充分小型化されたのでラジコンスケールボートとして改造する人も増えています。

このような状況のなかで、スケールボート・スケールシップのラジコン製品の供給元となると、やはり海外メーカー、特にヨーロッパが圧倒的に多いのが現状です。そこで海外のものを中心に説明していきます。これらのスケールラジコンボートの製品の海外からの供給形態としては次のような種類があります。

完成品
ARTR　(Almost Ready To Run)：ある程度、工程上難しい部分はメーカーで完成しているが、バッテリーやメカ（送受信機・サーボ等）の搭載で走航可能なもの。

船の模型の完成品は、部品点数や塗りわけが非常に多いので手間や工賃が大変かるが、最近時間の無い人の需要が少しづつ増えている。

組立キット
船体の組立から、塗装まで全て自分で行うもの。
船舶模型は製作過程そのものを楽しむ方が圧倒的に多いのでキットがいまだに主流です。

さらに組立てキットにはハル：Hull（船体外殻）の構造により大きく２種類に分かれます。

Ａ）竜骨構造組立キット
（海外ではPlank on Frame：プランク・オン・フレームもしくは
Plank on Bulkhead：プランク・オン・バルクヘッドと呼ばれる)

骨組みから組み立て、外板（船の側板や船底）を細い板材を曲げて一枚づつ貼って製作するもの（ヒノキやバルサ、チーク、マホガニー材などが切り出された状態でユーザーが組み立てるもの）最近のキットはレーザーカット済みで加工精度が高く、組立て容易です。外板は細い板材を一枚づつ曲げて張っていきます

Ｂ）完成済みハルの組立キット
左の写真のようにハル（船体）は一体成型（ＡＢＳ樹脂成型もしくはグラスファイバー製）済みで、その他の甲板から上の上部構造物がはレーザーカットもしくはダイカットの木製。もしくはプラスチックの真空成型品、またはCNCカット加工済みのものが多い。

このようにキットにも種類が２つあります。つまり、後者は材質が違うだけでハルがほとんど完成した状態になっていることになり、時間があまりかからないのが最大のメリットです。

しかし本格的にスケールボートの製作を趣味として楽しみたい方は竜骨構造からしっかりはじめてみるほうが楽しいかもしれません。少なくとも船大工さんになった気分に浸ることができますし、船体の基本構造がしっかり理解できます。

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